- 2009-05-08 (金) 23:37
「真面目で純粋なものを作り続けていかなあかん。それが私たちの使命です」という阪東食品を経営する阪東卓保さん。難易度が高いといわれる有機農法にこだわり続ける理由を教えてもらった。
約10年前までは、阪東食品では、時期をずらしたすだちを販売していたが、美しい色、形を維持するためには、農薬を大量に使用しなければならないということ、自分たちが食べたくないようなすだちを販売することに疑問を感じるようになっていったようである。そして、徳島県のecoファーマーから有機農法を提案されたことを契機に有機農法への切り替えを決意したのである。その覚悟にこの商品への想いの強さを感じた。
阪東さんのお話から有機農法への切り替えは想像以上に大変だったことが伺える。例えば、農薬を使うと雑草は生えてこないし、虫も喰わない。有機農法では、雑草も生え、虫も喰う。農薬に頼らないということは、全て手作業を意味する。人手にも限りがあり、全てを手作業でカバーするには、相当な労力が必要であったようである。
そして、苦労したことは何も栽培だけの話ではなかったという。有機農法の認可を得るためには、事務手続き、検査の連続だった。それでも、有機農法にこだわり続けるには、確信に近い信念があるからだと思った。
「確かに、有機農法だと量は取れない。量が取れないということはどうしてもコストが高くなってしまう。でも、質を保ち続けることで、わかってもらえる人には、わかってもらえると思うんです。未来の子供のため、地球のためにも、安全な食品を作り続けることが、私たちの使命だと思っています」という。
阿波晩茶は、徳島の山間地の家庭で自生された木で作られていた言わば、家庭のお茶。日本では珍しい後発酵のお茶で、カテキンが多く含まれ、カフェインが少なく、今、最も注目されている体に優しいお茶の一つだ。家庭のお茶だからこそ、各家々での味は全て違う。
阪東さんは、少しでも皆さんの口に合うようなお茶にしていきたいと語る。
阪東食品の阿波晩茶を口にすると、爽やかな清涼感と共に、ほんのりと甘みが口に残る。阪東食品がこだわり続けて守っていこうとしたものが、わかった気がした。
ライター;中西昌子