本文のはじまりです。

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- 徳島の行く前に持っていたイメージと、行った後のイメージの違いって有りましたか?
- もっとスゴいド田舎だと思ってた、勝手にね。けど結構都会だよね。
最初にあらゆる所に行ったけどのんびりしてる(スピードが遅いと)というか、性急な感じがしない、ちょうど良いと思った。東京から行くと、少し立ち止まれる感じがするからすごくいいなって。
住んでるひとたちがどうなのか僕からは分からないけど。
反対に、例えば徳島の人が東京に来ると騒々しい感じがするでしょ。
歩いているスピードがまず違うし、東京の場合は、多くの人たちが行き先があってどこか歩いていて、目的に向かって急いでいるんで地方に行くと感じる事なんだけど、目的地に向かって急いでないんで。あと、必要なものがみんなある感じ。実際に住んでみると、もっと色んなものがあって欲しいと思うかもしれないけど、居心地はよかった。(2ヶ月位だったけど。)
- 徳島の県民性というか人柄はどのように感じましたか?
- 一緒に映画を作っていた人たちが一番一緒に居たんだけど、のんびりしている人と、熱い人の両方がいるよね。のんびりしている人はすごくのんびりしているし、熱い人はすごく熱い。そういう両極端な感じ。もしかしたら一緒に映画を作っていた人たちがそうだっただけなのかもしれないんだけど。(笑)
映画に関しては、実際にやる、と決めるまでが実は大変だった。地元の人・県の人、一人一人に説明して、ちゃんとやるとなるまでは簡単ではなかった。助監督や制作スタッフは4ヶ月も前に入っていて地元の人たちととても良い関係を
築けていたから、撮影もスムーズにいけたんだと思う。
それぞれの連はある意味バラバラだし、良い意味で個性があって競い合ってる所も有るし、その人たちをまとめて一緒に映画に協力してもらう所までもっていくのは大変だったと思うよ。
僕が行ったころにはその良い関係が出来上がっていたので。僕は苦労してないけど...。
阿波踊り関係の連の人たちも本当に最後の最後まで協力してくれたし、地元の人たちが見て、変だと思わない映画にというのに細心の注意を払っていた。
阿波踊りのシーンなんて三回位は見てもらっているからね。
音と踊りがずれている、ずれてないとか、シロートだと微妙な所が分からないので、音と絵をマッチングさせるためには阿波踊りをやってる人にみてもらったりしたよ。
- 「眉山」という知名度の低い地名をタイトルにする抵抗はなかったのでしょうか?
- さだまさしさんの小説のタイトルをそのままだけど、僕は全然抵抗はなかったよ。
小説としては映画化しやすいものだったよね。計算された良く出来た小説なので、好き嫌いは有るだろうけど、阿波踊りがちゃんと撮影出来れば、映画化しやすい映画だと思ったよ。
そして、シンボルとして、眉山という山がちゃんとあって、ああいう話は普通、地味に終わっちゃうんだけど、クライマックスで阿波踊りがあって、大きく盛り上がるから、最初お話を頂いたときに映画化しやすい小説だと思ったんだ。その前の「解夏」もヒットしてたしね。
あと、たいがいの人は阿波踊りがちゃんとああいう本格的なものだって思って無いと思うよ。あんなに阿波踊りの完成度の高いなんてね。それを映画でも知ってもらいたいね。
- どのシーンを見てもらいたいですか?
- それは阿波踊りのシーンですね、クライマックスの。
宮本信子さんと松嶋菜々子さんもそうだけど、全員を見て欲しい。
“生きていることを謳歌しよう!”その4日間、生きていることを思い切りみんな謳歌している、そこが面白いと思った。無宗教でありながら、踊っているその時が楽しく、そして、終わって1年又頑張ろう、という土地のもつ、住んでいる人たちの豊かなものが伝わったし、その瞬間に大変な労力を惜しまず費やしていることが、素晴らしいと思った。
映画において、僕が決めている「徳島」は違う視点から見せているもので、それを普通に見てもらいたい。何が一番豊かではないかと言うと「これは私の徳島と違う!」と言ってしまうことで、そうではなくて、違う視点として楽しんでもらいたい。
こういう徳島もあるんだ、って。
映画はそれぞれの視点で観てこそ面白い、そこが素敵なところだしね。
徳島の人も徳島以外の人も、自分が眉山に対して感じたそれぞれのものを大切にして欲しいね。
とても気さくに、丁寧にインタビューに答えて頂きました!
今年は「眉山」をみて徳島の阿波踊りに来てみたくなった方が沢山居ることでしょう!
私たち自身も素敵な徳島を、新鮮に観て、そして感じることが出来た気がします。
「眉山」公式HPはこちら
犬童一心(いぬどう・いっしん) 監督プロフィール
1960年、東京都生まれ。高校在学中より映画製作を開始し、長編デビュー監督作『二人が喋ってる。』(‘95)で注目され、2003年『ジョゼと虎と魚たち』がヒット。『メゾン・ド・ヒミコ』で芸術選奨 文部科学大臣賞を受賞。近作に『タッチ』(‘06)、『黄色い涙』(‘07)など。